愛しさと切なさと

毎日寝顔を眺めるのは飽きないものだと

ひしひし感じる2018年6月9日3:23

抑鬱になったのは1年前

日々に退屈さを感じていた時間

やる気のない日々に生きる意味が無くなっていた

親にも迷惑だ

将来の予定は1ミリも立っていない

過去と今が生きる時間

未来の希望も無く失うものは他人だけだった

3度自殺を試みた

何度も倒れて学習しなかった

私は鬱なんかじゃない

こんなの大学生にはよくあることだと

看護師の姉は言っていた

だから信じなかった

感情的な涙を流すこともほとんど無かった

涙はストレスを流す

だからメンヘラは最強なんだな

鬱は甘えだと

自分に叩き込んだ

誰かに頼る価値も無ければ

頼れる人間も鬱だった

2人で傷の舐め合いをして過ごした

自殺願望は次第に薄れていった

私はそうしていくうちに学んだことがあった

 

ジプレキサは4錠で猛烈な吐き気と呼吸困難を発生させ、次第に苦しみから解放されるように気絶する、その後目覚めるのは22時間後

 

再び自分に絶望した時

死にたくなった時

私はこうやって現実から意識を剥離した

 

私は病院に行っても無駄

薬をもらっても無駄

薬を無理矢理睡眠薬としてしか使っていない

睡眠というより気絶だけれど

 

もう病院には行っていない

行くつもりもない

無駄でしかない

ただ意味の無いカウンセリング

家から出て他人が怖いと思うことはあるかなんて

毎回聞かれる

医師の診察室の棚には

「対人恐怖症」という文字の並んだ本がたくさん

なるほどな

この医師は対人恐怖症を得意分野とするのか

だったらそう答えてやろう

はい、少し他人の目が気になります

まあ嘘では無かったし

彼の意見を聞いてみるかという浅い考えだったわけだ

彼の次の台詞はこうだった

「うん、他人の目が怖いんだね。じゃあお薬出しとこうか。お母さんを呼んでもいいかな?」

ふざけるなよ貴様

なめてるのか

お前何歳だよ

ジジイおい

何年心療内科勤めてんだよ

言うことはそれだけか

ただの一患者

それほど重症ではなさそうだと

薬与えときゃどうにかなると

まあ間違ってないさ

薬が欲しくて行ったんだしな

親呼ぶのは謎だったけどな

おかげでこっちは親にぶちギレられる始末

医者なんてそんなもんさ

行かなきゃいけないのは心理センターだからな

 

2017年10月

彼に出会って頭の中が変わった

世界が明るくなった

汚れた網戸を取り払ったように

スマホの画面を明るくするように

曇ったフィルターを剥がしたように

何も聞こえなかった世界に音が聴こえて

灰色に色が付いた

 

11月

週に2〜3日は一緒にいた

彼に依存した

 

12月

週に6日は一緒にいた

クリスマスを過ごした

バイト先の常連客は

「12月中に彼氏できるよ」と言っていた

できなかった

予言は外れたぞジジイ

 

1月

彼ではない人と3日間を共に過ごした

私を好きになってくれた

私は愛せなかった

悲しそうな顔が忘れられなかった

しばらくして彼は戻ってきた

 

2月

毎日一緒にいた

東京に行った

お土産を喜んでくれた

大したことない

なんでもない

他人から見ればただのゴミ

彼は喜んでくれた

それが嬉しくて、嬉しくて嬉しくて

感情的に泣いた

「お前のプレゼントはいつも使えないゴミばかりだからもういらない、誕生日もクリスマスも買ってくるな」そう言った元恋人を思い出した

私は私の思考を理解してくれる彼を

愛しく思った

 

3月

恋人になった

 

短気で寂しがりで自分勝手で

気分屋の私を好きだと言ってくれた

私は彼の好意に答えたかった

変わりたかった

抑鬱から抜け出したかった

 

これはまだその途中の話

 

彼が一緒だから

優しくなれる

 

心強さ